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ダイキン工業株式会社 商品部品担当課長 古川 淳也 様

共同輸配送のSST便でコストも環境負荷も削減
物流を変えて空調事業をサステナブルに

 

空調設備のリーディングカンパニーであるダイキン工業株式会社(以下、ダイキン工業)は、「空気で答えを出す会社」として、機器の提供だけでなく、その先にある快適な空気の「質」を追求しています。この目標を達成するため、特に24時間稼働が求められる病院やデータセンターへの迅速な部品供給体制を最重要課題と位置付けてきました。
これまで同社は、約20万アイテムにも及ぶ部品を、夕方4時までの注文に対し翌日までに現場へ届ける体制を維持してきましたが、多品種・少量・多頻度という輸送の性質から、コスト、ドライバーの負担、環境負荷といった課題に直面していました。



写真右:
ダイキン工業株式会社 サービス本部 企画部 商品部品グループ
商品部品担当課長 古川 淳也 様
写真左:
Sustainable Shared Transport株式会社
営業企画・推進部長 中村 勉

東北エリアの需要拡大と新たな物流ルート

近年、猛暑の影響で東北エリアでの空調設備の需要が急増しました。これに対応するため、ダイキン工業は仙台に「東北パーツセンター」を新設。新拠点から迅速なサービスを提供するためには、大阪から夕方に出荷した部品を、翌日午前中には仙台に届けるという、新たな物流ルートの確立が不可欠でした。

この難題に直面したダイキン工業が着目したのが、共同輸配送サービス「SST便」です。

SST便が解決した輸送の課題

ダイキン工業は、SST便の前身サービスをすでに大阪-東京間の輸送で試験的に利用しており、1パレット単位での輸送が可能になることで、少量の部品でも無駄なく運べると手応えを感じていました。「大阪を夕方に出荷して翌日午前中に仙台に到着」という、一見無理な要望に対しても、SST便の担当者は「わかりました、やりましょう」と力強く応じました。

こうして、2024年11月に東北パーツセンターが立ち上がると同時に、SST便を利用した新たなルートが本格的にスタートしました。このルートは、大阪から仙台へ届けるまでに浜松、厚木、福島と3回のトラック乗り換えを伴いますが、運用開始以降、部品は翌日午前中には確実に仙台に到着しており、大きな成果を上げています。さらに、この共同輸配送は従来の作業手順を変えることなく利用できるため、現場の負担も増えませんでした。

未来へ向けたサステナブルな物流

現在、ダイキン工業はSST便をほぼ毎日(平日)利用し、コスト削減や物流効率化、環境負荷低減といった多岐にわたる効果を実感しています。
古川氏は、SST便の利用エリアをさらに拡大したいと展望を語り、「様々な荷主が参画して積載効率を高めて運ぶことができれば、CO2排出量も抑えられ、サステナブルな物流の実現につながる」と、共同輸配送の重要性を強調しました。
SST便の活用は、大阪-仙台間の迅速な輸送ルート確保という課題を解決しただけでなく、コスト、ドライバー負担、環境負荷という三つの課題も同時に解決しました。ダイキン工業の持続可能な事業運営は、SST便という強力なパートナーによって支えられています。

 

 

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