製品を廃棄せずお客様へ届けたい
SDGsを見据えたサステナブル物流戦略
ユニ・ケアー株式会社(以下、ユニ・ケアー)は、SDGs達成を事業パーパスに掲げる親会社ユニ・チャームとの連携を視野に入れ、物流改革を喫緊の課題と捉えていました。関西エリアでの事業拡大に伴う物流の課題解決のため、共同輸配送サービス「SST便」を導入。サステナブルな物流を実現しました。
物流の課題とサステナビリティ
ユニ・ケアーは、紙おむつやペットケア用品などを、催事販売や企業販売、ネット販売などの独自ルートで消費者に届けることで、価値ある商品の廃棄をなくす事業を展開しています。取締役社長の川浦 義裕氏は「SDGsが注目される以前からサステナビリティを意識して事業を展開してきました」と語ります。
しかし、関西エリアでの事業拡大に伴い、千葉県柏市の流通センターからの商品直送に課題が生じていました。管理本部 倉庫・物流業務 副部長の齋藤 智幸氏は、「ドライバー不足に加え、長距離輸送の負荷増大、帰り便が空荷に近い状態になるなど、物流の非効率性が明らかになっていました」と振り返ります。
関西物流センター新設と「SST便」
こうした課題を解決するため、ユニ・ケアーは兵庫県姫路市に関西物流センターを新設。これを機に、ヤマト運輸との信頼関係のもと、共同輸配送サービスの「SST便」導入を決定しました。
導入の決め手は、「SST便」がパレット単位での配送に対応していることでした。これにより、物流システムとの連携がしやすくなり、またCO2排出量削減といったSDGsへの取り組みを可視化できると考えました。当初はリードタイムの長期化を懸念しましたが、詳細なスケジュール提示により翌日到着が維持されることがわかり、安心して導入を決断しました。
効率化とドライバー負荷軽減
2025年6月からの本格利用後、関西物流センターへの商品補充に「SST便」を活用。齋藤氏は「パレット単位でこまめに運べるのは大きな利点」と実感しています。
川浦氏は、「効率的な配送手段を確保できたことは、事業強化の大きな強みになります」と評価。帰り便の荷物量が少ない場合でも、パレット単位で調整できるため、物量に応じた適正なコストで効率的な配送が可能となりました。これにより、長距離運転によるドライバーの負荷も軽減され、多角的な効果を実感しています。
九州エリアへの拡大とグループ全体での活用
ユニ・ケアーは、「SST便」のさらなる活用を見据えています。関西エリアでのネット販売を拡充し、定期便としての利用を目指すほか、将来的な九州エリアへの物流センター立ち上げの際にも活用したい考えです。
川浦氏は、「効率性、環境負荷、ドライバー不足への対応など、物流が抱える課題を克服したサステナブルな物流確保に、SST便は不可欠です」と語ります。今回の導入を契機に、ユニ・チャームグループ全体での共同輸配送導入の可能性も示唆し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続していきます。
写真左: ユニ・ケアー株式会 取締役社長 川浦 義裕 様
写真右: ユニ・ケアー株式会 管理本部 物流部 倉庫・物流業務 副部長 齋藤 智幸様